各種高圧ガス

近代製鉄の発達とともに、酸素の需要量は飛躍的に増加しました。世界第一位の生産量を誇る日本の製鉄業を支えているのは、ほかならぬ酸素です。鉄を溶かす高炉では、酸素が燃焼を助けて効率アップと省エネルギー効果をもたらし、溶出した鉄から炭素などの不純物を取り除く段階でも、大量の酸素が使われています。いまや酸素は、さまざまな分野で利用され、近代工業にとっては不可欠なものとなっているのです。

金属の溶接・切断に、銅など非鉄金属の精錬に、火力・水力・原子力発電につぐ「第四の発電」としてのMHD発電（電磁流体力学発電）に、その他、科学工業や電子工業などでも利用がさかんです。

わたしたちの身近なところでは、全身麻酔手術や未熟児の保育、高圧酸素治療などの医療面をはじめ、深海や高度上空、さらに作業環境の悪い地下の工事現場でも、人々の生命を守るために活躍しています。さらに、活魚の養魚池や、下水処理・河川の汚染防止など公害防止用としての働きや、宇宙科学の花形であるロケットを無重力空間にまで打ち上げるのも、宇宙船内で飛行士を安全に呼吸させるのも酸素の力です。このように酸素は、ひとの生命や健康を守る医療から、航空宇宙開発の最前線まで、幅広い分野で重要な役割をはたしています。

空気中の約78%を占める窒素は、いま、多彩な分野での新しい需要に注目を集めています。その一つは、ガスとしての窒素の、他の物質と容易に化合しない”不活性な特性”の活用です。例えば、エレクトロニクス時代を支える　ICやLSIの製造は、空気を追い出した超高純度窒素の中で行われます。板ガラスの製造工程でも、窒素が空気をシャットアウトして酸化を防ぎます。また、窒素の不活性は、石油コンビナートやLPGタンカーなどの危険防止のために、保安用としても活躍しています。

日常身近なところでは、薬品や食品の酸化防止用シールガスとして、品質を長期間維持するのに役立っています。

窒素のもう一つの大きな用途は液体窒素の”超低温(-196℃)”の利用です。食生活に欠かせない肉や魚を急速凍結し、鮮度を保つのも、液体窒素の超低温の働きであり、コールドチェーンで重要な役割を担っています。一方医療の分野では、低温手術や輸血用血液の冷凍保存や、家畜の精子保存などにも利用されています。その他、軟弱な地盤の土木工事のための土壌凍結法の開発や配管凍結工法も窒素の利用で実用化しました。さらに窒素は、金属・化学・電気・食品・医薬・宇宙工学にと、その優れた特性の活用で、活躍の場はますます拡がっています。

アルゴンは、わたしたちの身近なところでは、電球や蛍光灯の封入ガスとして利用されています。ほかの物質と結びつくことのない不活性なガスなので、フィラメントの寿命を延ばしたり、明るさを増すのに効果があるからです。電子工業の分野では、テレビやクォーツ時計に使われる高純度シリコンや集積回路の製造に、ふん囲気ガスとして不可欠の存在です。

アルゴンはまた、ステンレスや特殊鋼の精錬で、高品質な製品をつくり出したり、アルミニウムやステンレスなどの溶接では、酸化防止のシールガスとして活躍。さらに、食品・医学・原子力など、急速に利用分野が拡大しています。

炭酸ガスは無色・無臭・不燃性のガスで、用途としては、溶接用・消火器用・飲食用・食品の保冷・貯蔵などに利用されています。

溶解アセチレンはすぐれた火炎性能をもち、金属の溶接・切断等の加工にはなくてはならないものです。

アルゴンと炭酸ガスの混合ガスであるカノックスは、従来の炭酸ガスに比べて、なめらかで美しいビートが得られる、溶接用シールドガス。薄板溶接でも溶け落ちが少なく、はじめての方でも、安全に、簡単に、美しく仕上がります。

安定した組成比を長時間維持

容器内面に特殊な処理を施していますので、経時変化のない安定した組成比を維持します。

様々な発振機メーカーで最大出力を発揮

レザックスシリーズは、最大出力が得られるよう、発振機メーカーごとに最適な組成比の混合ガスを多数取り揃えています。また、ご要望に応じてご指定のガス組成比を充填いたします。

カンサンの優れた技術力が豊かな信頼性を確保

品質保証の国際規格である「ISO9001」の認証を取得したカンサンの優れた技術がレザックスにも活かされ、高い信頼性を確保しています。

レザックスの混合組成(％)

注意事項

• ご使用の際には、製品安全データシート「混合ガス」を必ずお読みください。
• 換気の良い場所で、保管・使用して下さい。
• 容器には、転倒・転落下等の衝撃を与えないで下さい。
• 容器は常に40℃以下に保って下さい。
• バルブの開閉はゆっくりと行って下さい。

応急処置

• ガスを吸入した場合、新鮮な空気の場所に移り体を暖かくして安静にし、医師の診断を受けてください。
• ガスの吸入により呼吸が止まっている場合は、すみやかに人工呼吸を施し、医師の診断を受けてください。

笑気ガス